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色彩雫はパーカーBBより粘度が高い

イトルで「エッ??」っと思われた方、実は私もそうだったんです。

はい、「パーカーのブルーブラックは粘度が高いからフローが渋くてねー」なんて平気でほざいてたわけですよ。

ところが、ある日『趣味の文具箱(何号だったか忘れました)』を読んでいて衝撃の事実がががっ!

1. まず、インクの特性を云々するには「粘度」だけではなく「表面張力」ってのがある。
2. して、フローに関わってくるのは主に表面張力(たぶん)

ゲゲゲーッと思いながら手持ちのインクや知ってるインクをまとめてみたのが下の表です。

* 気に入って使ってるアッカーマン・ショッキングブルーやクロス・ブルーブラックについては記載がなかったので、自分なりの感覚でこんなもんかなーってところに入れておきました。

表面張力
mN/m
 粘  度
アッカーマン・ショッキングブルー
この辺?
クロス・ブルー
68.99
0.93
モンブラン・ミッドナイトブルー
65.99
1.05
シェーファー・ブルーブラック
65.25
0.95
パーカーQUINK・ブルーブラック
65.14
0.96
プラチナ・ブルーブラック
64.08
0.99
プラチナ・レッド
63.65
0.98
セーラー・極黒
63.19
1.14
ペリカン4001・ブルーブラック
63.03
0.95
ウォーターマン・ミステリアスブルー
61.14
0.96
パーカーQUINK・ブラック
60.88
0.99
ウォーターマン・グリーン
60.67
0.96
ペリカン4001・ロイヤルブルー
60.50
0.94
ペリカン4001・ブラック
59.36
1.45
ペリカン4001・レッド
58.40
0.93
ペリカン4001・ターコイズ
57.25
0.88
ペリカン4001・シャイニーグリーン
56.33
1.82
プラチナ・ブラック
55.10
1.08
ラミー・ブルーブラック
54.18
0.96
色彩雫・冬柿
52.00
1.05
色彩雫・深海
50.63
1.03
色彩雫・紺碧
49.92
1.03
パイロット・ブルーブラック
48.51
0.97
色彩雫・月夜
48.25
1.02
パイロット・ブルー
46.75
0.96
セーラー・ブルーブラック
46.00
1.03
クロス・ブルーブラック
この辺?
エーデルシュタイン・サファイア
45.33
1.00
プラチナ・カーボンブラック
37.03
1.94

 ←  
表面張力
  → 
渋い
インクフロー
良い
しにくい
滲み・裏抜け
しやすい
起きにくい
インク漏れ
起きやすい


  
表面張力
 粘  度
Pa・s
プラチナ・カーボンブラック
37.03
1.94
ペリカン4001・シャイニーグリーン
56.33
1.82
アッカーマン・ショッキングブルー
この辺?
クロス・ブルーブラック
この辺?
ペリカン4001・ブラック
59.36
1.45
セーラー・極黒
63.19
1.14
プラチナ・ブラック
55.10
1.08
モンブラン・ミッドナイトブルー
65.99
1.05
色彩雫・冬柿
52.00
1.05
色彩雫・深海
50.63
1.03
色彩雫・紺碧
49.92
1.03
セーラー・ブルーブラック
46.00
1.03
色彩雫・月夜
48.25
1.02
エーデルシュタイン・サファイア
45.33
1.00
プラチナ・ブルーブラック
64.08
0.99
パーカーQUINK・ブラック
60.88
0.99
プラチナ・レッド
63.65
0.98
パイロット・ブルーブラック
48.51
0.97
パーカーQUINK・ブルーブラック
65.14
0.96
ウォーターマン・ミステリアスブルー
61.14
0.96
ウォーターマン・グリーン
60.67
0.96
ラミー・ブルーブラック
54.18
0.96
パイロット・ブルー
46.75
0.96
シェーファー・ブルーブラック
65.25
0.95
ペリカン4001・ブルーブラック
63.03
0.95
ペリカン4001・ロイヤルブルー
60.50
0.94
ペリカン4001・レッド
58.40
0.93
クロス・ブルー
68.99
0.93
ペリカン4001・ターコイズ
57.25
0.88

 ←  
粘 度
  → 
ぬらぬら
書き味
さらさら
遅い
乾きやすさ
速い
起きやすい
インク切れ
起きにくい
しにくい
洗浄
しやすい


いやいや奥さん、ビックリポンですよ@@;
なんと、パーカー・ブルーブラックってば色雫より粘度は下じゃないですかかかっ!!
つーか、全体の中でもパーカー・ブルーブラックは粘度低いほうじゃないですか!!

自分なりにつらつら考えてみるに、万年筆ってそもそも毛細管現象でインク出してるわけで、その出具合でフローが良いとか悪いとかいいますよね?
んで、滲みや裏抜けなんかも紙の繊維の隙間にインクが入ってく毛細管現象、インク漏れもパーツの隙間なんかにインクが入ってっちゃう毛細管現象。
表面張力が高いってことは、つまりこの毛細管現象が・・なんつったらいいのかアレですけど、スムーズに行きにくい? その液体が隙間に染み込みにくいってことなのかなーと。

そのへんのメカニズム的なことはよくわかってないので、間違ってたり詳しい方がいらしたらぜひ教えていただきたいんですが、いずれにしても粘度が高いからフローが悪いってのはちょっと違うんだなーと理解しましたですよ。
もちろん粘度がフローに全く無関係というわけではないのかも知れませんが、大雑把に言えばフローに影響するのは(主に?)表面張力の方だ、と言っていいんじゃなんでしょうか。

それから、というかそれでというか、基本的にメーカーは自社のインクを使うことを前提に設計してるでしょうから、純正以外のインクを入れる場合はこの辺の特性を理解した上で使わないと、やけにフローが渋いとか、逆に出すぎちゃうとか、書き味に影響してくることがあるんだろうなと・・。相性が良くないってのはそういうことなんだろうなと思いました。

色だけでインクを選んでも気持ちよく書けないかも知れないってことですかね。

コメント

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